私自身も、'03モデルのYZF-R6のオーナーでした。当時のYZF-R6の特徴はハンドル位置が近いので、マシンコントロールがしやすくコーナーリング特性や高回転まで何のストレスもなく回るエンジン等、走りは爽快の一言でした。この様に'05モデまでのYZF-R6はリッタークラスのバイクに比べ、パワー的に扱いやすく街中でも楽しる面目立つマシンでした。その後、'06でのフルモデルチェンジから、特性が大きく変わり、YZF-R6は公道での快適性よりもレースで勝つ為のポテンシャルアップに比重をおいたマシンへと変わっていった様に思います。その最新型の2008年モデルのYZF-R6に2008年2月、筑波サーキットにて試乗する機会がありました。正直、最新の技術が投入されているとは言え、デザインも大きく変わらない事から、それほどの期待はしていませんでした。しかし、良い意味でも悪い意味でもその期待を裏切られました。上記の様に、このバイクが本来持っている性格上、本当の性能、その走りを楽しめるのは、基本的にサーキット走行です。今回のモデルチェンジで、それがさらに鮮明になり、さらにエキスパート向けのバイクに仕上がったというの印象的です。まさにヤマハの本気度が伝わって来るマシンに仕上がっています。
走り出してすぐに、最新技術の投入での出力特性の変化に伴い、出方の出方にメリハリが生まれたエンジンは、以前のモデルより確実にパワフルになった印象で、確実にポテンシャルアップを感じさせてくれます。しかし、サーキット走行で本領を発揮するこのマシンのポテンシャルを一般技術のライダーが公道で楽しめるかというと、少々疑問が残りました。
以前までのYZF-R6であれば、YZF-R1をご検討されているお客様に対して、お客様のバイクのキャリアに合わせてR1に乗る前に、まずR6を先に乗った後で、R1に行かれては?とご提案させていただく事もありましたが、2008年モデルでそのご提案はできません。また、YZF-R6のデザインがカッコイイからほしい!という意識だけでこのバイクを選ぶのは良い選択とは言えません。それだけエキスパート向けのマシンなのです。ですから、逆に公道で楽しむのなら、低速トルクがある分、アクセルをさほど開けなく早く走れるYZF-R1を選ばれた方がよろしいかもしれません。
とは言え、2008モデルになってより魅力を増したスーパースポーツYZF-R6。1000ccクラスのスーパースポーツの経験があり、以前250/400CCクラスのレプリカでブイブイいわせていた人達が乗ればきっと、あの時のトキメキを思い出す走りが楽しめるはずです。本物のレーサーに乗っているかのような本物の走りを楽しみたい方に味わっていただきたいマシンです。しかし、公道での走行にはくれぐれも御注意を! |